今泊まっているシェラトンホテルでは、毎日部屋に新聞が入る。英字紙のDAWNで、1965年にディラン峰遠征隊でやってきたときからのなじみの物である。
だいたい、朝食に食堂に降りるときに見出しだけを立ち読みで見て、面白そうなのがあれば、持って行くし、そうでなければベッドの上に放り投げる。
今朝は、一面トップのBloodbath in Swat: 17 FC personnel killedという記事が目に飛び込んできた。
持参して、クロワッサンと小片のステーキを食べながら読む。
「スワットでの大殺戮:17名の民兵職員が死亡」。Bloodbathとはすごい。一面血の海という感じ。
場所は、スワットのミンゴーラというところで、「西パキスタンの旅」の経路でもある。また日本人のグループツアーで、フンザからの帰りに何度も通ったことのある場所なのである。
政府が攻勢を強めつつある武装勢力の鎮圧のために数千の軍隊をスワット谷に送り込んだ後の自爆攻撃で、爆弾は自家製の物であった。42名の兵士の載ったトラックは裂け、17名が死に34名が負傷した・・・などと大変詳しく報道されている。
英字では、どこのタレベエがどう言ったとニュースの出所がはっきりしているのが、日本の新聞と違うところだ。日本では、例えば火事の報道で、「失火と見られる」と書くだけだが、英字では、「消防隊の隊長の誰それは、失火であろうと語った」と書く。
一面の2段目の記事は、Benazir lashes out at ‘political madressahs’(ベナジールは政治的なmadressahを激しく批判)という物だが、このマドレサアが分からない。
記事には、ベナジール・ブットーの言葉として、「我々は、マドレサの内のすべてを調査しないと行けない。それらは、文明の一部であり、文化や宗教の一部であるが、他のものがある。羊の皮をかぶったオオカミどもがマドラサの名をかたっている」などとあるから、何となく想像がつくような気もした。
ホテルのフロントのお兄さんに記事を見せて尋ねてみる。「ふるいウルドーの言葉なので、ちょっと・・・」と、カウンターを出て、コンシアージのおじさんに尋ねに出かけた。
おじさんは少し考えて、子供の学校のことです。
「すると、テロリズムに関係があるんですか」と尋ねると、そばにいたお姉さんが、「いえいえ、まったく違います」といった。
部屋に戻って、何となくグーグルでナジブラ・ブットーを引くと、<タリバーンとは>という項が出てきた。このウィキペディアのタリバーンの「起源と発展」の説明の中にイスラム神学校(マドラサ)とあるではないか。
とすれば、テロリズムと関係ないとはいえないと思うんですが、お姉さま。
記事全体を読んだらもっとはっきりするとは思うのだが、3ページ目に続くとなっているのを全部読む気にはなれなくて止めてしまった。でもマドラサの意味もはっきりしたし、なんだかすっとした。
明日は、イスラマバードに移動する。2時間ほどのフライト。