ピエモンテで旧知のCuneoのノータリー(公証人)、サロルド・アルド氏の招待でクーネオのレストランのディナーを頂いてきた。
デッレ・アンティーケ・コントラーデ(Delle Antiche Contorade)と云う舌をかみそうな名前のレストランがあって、クーネオでは最高のレストランということになっている。
アルド氏のひいきのお店で、彼はいつもここでご馳走してくれることになっています。
プレゼントに差し上げた日本の陶器をオーナーに見せるアルド氏。アンティークですというと、オーナーは包んであった新聞を指して「この新聞もかい」と冗談を言った。
イタリアのシャンパン、イタリアではシャンバンと云わずにスプマンテと称する。フランス・シャンバーニュのシャンパンにひけは取らない。
ここのオーナーは、英語が堪能で、髭を生やした豪放磊落な人柄で、ぼくは大好きなのです。
ところで、昨年に日本で出版された「麗しのピエモンテ〜北イタリア未知なる王国へ〜」という本があります。
この本のクーネオの項に、このレストランが載りました。
数枚のグラビア写真とともに、次のように紹介してあります。 曰く、
—2005年版のミシュランで星を穫り、勢いに乗る話題のリストランテ。伝統とヌオーヴァ(新しさ)、イタリアとフランスが美しく混ざり合った皿は、瞬く間に舌の肥えたクネーゼたちをとりこにしてしまった。洗練された味わい、瀟洒な設えが大人の品格を教えてくれよう— (ところで上記の訳の、美しく混ざり合った<皿>というのは、明らかに<料理>の誤訳でしょう)
と、ちょっと大げさとも云える紹介文があります。
もしかしてこの日本文は読めてないだろう。翻訳してあげたらきっと喜ぶだろうという、ともの提案で、この日本文を英訳して持参することにしました。
ぼくが苦労して作文した英訳文を見て、彼は「大丈夫、大丈夫。ぼくは日本語が読めるから」とまた冗談を言いました。
一皿目のつまみの後、二皿目のカルネ・クルード(生肉)、ミンチしてある。
ウェイターが、ヒマラヤ産ですと岩塩をふりかけてくれた。肉とは思えぬあっさりとしたフレッシュな味。
カルネクルードを食べ終わる頃から、ワインは、バルベラ・ダルバとなる。ピエモンテ産の赤。
フォアグラの載ったリゾット。このフォアグラは、練り物ではなくレバーそのもの。逸品であった。
同行者のともさんとアルド氏。スプマンテを美味しい美味しいと言っていたためか、彼女は別れ際にこのシャルドネ・スプマンテをプレゼントされた。